築30年超の木造住宅は「建物の価値なし、解体しないと売れない」と言われがちですが、解体せずに売却できるケースもあります。
売主さんとの出会いは「ご紹介」
中古住宅(マイホーム用)を、弊社の仲介でご購入くださったお客様から、ある日LINEが届きました。
ご購入から1ヶ月ほど経った日のことでしたので、「建物に不具合でも発生してしまっただろうか」と心配しました。
実際にはそうではなく、「空き家を売りたいという知り合いがいる」「サカイさんを紹介しても良いか」という内容でした。
お客様からのご紹介は、こちらとしても大変ありがたいので、二つ返事で快諾させていただきました。
もう壊さないと売れないでしょ?
持ち主さんは、「解体しないと不動産としての価値が出ない」と思っていたようです。
解体費用がかかっても仕方ないので、解体の見積もりも依頼されました。
しかし、サカイはその考えをいったん受け止めた上で、このように話しました。
「駅まで徒歩15分、立地は良いです。ただ、敷地が狭い(30坪)。このエリアで宅地の需要が見込めるのは、50坪以上からです。建物の老朽化は著しいですが、リフォームすれば再利用は可能です。今回は、中古住宅として売ってみませんか?」
持ち主さんからは「解体する手間がかからないのなら、それで進めてみましょう」ということでご了解いただき、早速販売を開始することになりました。
ちなみに、大きくなりすぎた植木と、今にも倒壊しそうなブロック塀は、撤去して見栄えを良くしようと決めました。
費用は持ち主さんにご負担いただきました。
次から次へと見学予約が
今回は、やはり立地が良かったです。
こちらの予想を上回る反響で、見学の予約が次から次へと入り、最終的に11組のお客様を現地案内することになりました。
先着制から、入札制へのスイッチ
最初の1組目のお客様を案内する前に、複数の見学予約が入っている状況でした。
そのため、先着制で購入申込みを受ける形(いつも通りの形)を採用するのは、最適ではないかもしれないと考えました。
Aさんから「販売価格どおりの値段で買います」と言われ、Bさんからも同じことを言われるかもしれない。
しかも、それが同じ日に起こる可能性もある。
そこで、今回は入札制にスイッチする決断をしました。
1組目から11組目までのお客様に「今回は反響多数のため、入札制になります。11組目のお客様が見学した日の1週間後を入札期限とします」とアナウンスし、運命の日を待つことにしました。
当初販売価格の1割増しで成約
最終的に7組のお客様から購入価格の提示を受けました。
その結果、当初の販売価格よりも1割増しの価格で成約となりました。
売主さんにもご了解いただき、その後もスムーズに契約、決済、引渡しとなりました。
価格面だけでなく、解体せずに売ることができたことも良かった点だと思います。
柱が一部腐食していたり、何ヶ所か床が抜けそうなくらい傷んでいたり、普通なら解体してもおかしくない物件です。
それでも、リフォームして再生してくれる買主さんが見つかって、本当に良かったです。
大量の廃棄物を出さず、建物の歴史を繋ぐことができ、「もったいない」ことをしないで済んだと思うと、気持ちも晴れやかになりました。
それから2ヶ月後の話
それから約2ヶ月後、買主さんから「別の物件のことで参考意見が欲しい」と電話を頂きました。
「ちなみに、先日の物件は一生懸命リフォームしているところですよ」と話してくれました。
「その節は良い物件を紹介してくれて、ありがとうございました」とも言ってくれました。
こちらも、良い方に買っていただけて感謝しています。
リフォームが完了して、建物のストーリーがまた動き出すのが楽しみです。
2種類の「空き家対策」がある
今回の件を通じて、わかったことがあります。
「空き家対策」という言葉は、2通りの解釈ができるということです。
1つは「空き家をなくす」こと。すなわち、物理的に消滅させるということです。
もう1つは「空き家ではなくする」こと。物理的に消滅するのではなく、新しい人に受け継がれていくことです。
どちらかに優劣をつけるつもりはありませんが、サカイとしては後者であることを目指して、空き家が再生・再利用されていく世の中を理想としていきたいです。
ウチも相談してみようかな
空き家の今後についてお悩みでしたら、ぜひ一度サカイにご相談いただけたらと存じます。
相談料や調査費用は原則無料です。
熊谷から片道2時間以内(高速道路、新幹線も含む)のエリアにて、できるだけ幅広く対応したいと思います。
ぜひ一度、お気軽にお問い合わせくださいませ。