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さぁ一緒に電卓を叩こう!中古戸建の性能向上リフォームお値段のホントのところ | イエノワ#5

前号(#4 / 2023夏号)では、リノベーションが、オシャレなリフォームをすることではなく、性能を向上させるためのリフォームであることを学びました。具体的に向上すべき性能は「断熱性」と「耐震性」であり、更には屋根や外壁の「耐久性」も含まれます。

 本号では、これらの性能向上リフォームには、いったいどれくらいの費用がかかるのかを学びます。中古住宅の購入を検討する上でとても重要なことです。知識を多く備えることで、応用力も身につきます。

 「知識+対応力=リテラシー」です。サカイ・エージェンシーは本誌『イエノワ』を通して、皆様に「不動産リテラシー」を養っていただきたいと思っています。

性能向上リフォームのざっくりの金額イメージとは

性能向上リフォームについて、具体的に何をどのくらいの費用で実施するかを考える前に、大前提として選択すべき物件は「2001年以降に新築された物件」であることは、前号でもお伝えしました。耐震化リフォームをする場合、2001年以降であるか否かによって、かかる金額が大きく変わるためです。

また、性能向上リフォームを実施することによって得られる補助金があることも覚えておきましょう。断熱リフォームであれば最大120万円、長期優良住宅化リフォームであれば最大250万円の補助金を受け取れる可能性があります。その他に、市町村単位でもオリジナルな補助金制度が用意されているので、おおむね150万円くらいは補助金でまかなえると思って良いでしょう。

新築と比較した場合のリフォーム予算を掴む

具体的に細かく項目別のリフォーム費用を見ていきましょう。5段階に分類した項目を優先順位ごとに考えていきます。

性能向上リフォームにおける最重要項目である[1],[2],[3]の主要3項目で合計約550万円かかります。ここに[4]間取りを大幅に改良するリフォームを加えて約200万円、[5]住宅設備の刷新で約300万円を行うとすると、トータルのリフォーム費用は約1,050万円となります。

  • [1]断熱リフォーム:約300万円(相当しっかりやるレベル)
  • [2]耐震リフォーム:約100万円(2001年以降の建物)
  • [3]屋根&外壁リフォーム :約150万円(標準的なレベル)
  • [4]間取りを大幅に改良するリフォーム:約200万円(主に壁と床のほぼ全面張替え)
  • [5]住宅設備の刷新:約300万円(主に水回り)

ここから各種リフォーム補助金を最大限活用できれば、差し引き600万円~650万円でフルリフォームが実現します。しかもオシャレという言葉に惑われていない「かなりしっかりしたリフォーム」を実施することができる計算になります。テレビ番組の『劇的ビフォーアフター』のようなイメージです。

これらの金額モデルは、あくまで「新築の注文住宅を購入したときよりも、月々3~4万円ほど貯蓄ができる暮らし」となることを目指すための参考数値です。新築と比較する際の参考数値と理解しておくと良いでしょう。

土地と建物の取得費用も含んだ数字を掴む

肝心の土地と建物の価格を見ていきます。先述のとおり「2001年以降の建物」で「新築の注文住宅を購入したときよりも、月々3~4万円ほど貯蓄ができる暮らし」を想定して考えます。

昨今の新築の注文住宅の相場感では購入した場合、住宅ローンの毎月の返済額は約11~12万円程です。つまり、住宅ローンの毎月の返済額を約8万円程にするための方法を考える必要があります。

住宅ローンシミュレーター(※1)で以下の条件で計算してみると、2,600万円の借り入れが可能という答えが出てきます。すなわち、本体(土地・建物)を2,000万円以下で取得できれば、性能向上リフォームをフルサイズで実施しても予算内におさまるということになります。

  • ●元利均等返済
  • ●返済期間35年
  • ●利率1.5%(フラット35並み)
  • ●毎月返済額8万円
  • ●年収500万円

果たして、2001年以降の建物付き土地が、2,000万円以下で売っているのか。県北エリア(熊谷・深谷・本庄)ですと、約25件の中古戸建・2,000万円以下の物件がしっかり存在しているのです。(2023年9月15日時点、当社調べ)しかし、たとえ25件あったとしても、お客様の好みに合う物件がその中にあるかどうかは、やはり蓋を開けてみなければ分かりません。

その場合は、2001年以降にこだわらずに、築30年前後の物件も対象として見ていくことをお勧めしますが、その分リフォーム費用、特に[1],[2],[3]の性能向上リフォーム費用が上がることは覚悟しておく必要があります。なお、築30年前後の物件は、本体価格も安くなります。本体+リフォーム費用の合計2,600万円以内という予算内で進めていける可能性は十分にありますので、ご安心ください。

人生のゴールはマイホームの購入ではない

前号と本号に渡って、中古戸建て物件の性能向上リフォームにかかる費用のお話をさせていただきました。「思ったよりもリフォーム費用って高いんだな・・・」という感想が率直なところかと思います。それでも「新築より良いじゃん!」と感じることができた方もいらっしゃることでしょう。

何度もお伝えしますが、「新築の注文住宅を購入したときよりも、月々3~4万円ほど貯蓄ができる暮らし」をどうやって目指すのか。それは「自分たちらしい幸せな暮らし」を叶えてほしいからです。不動産会社をやっているサカイが言うのも変かもしれませんが、人生のゴールをマイホームの購入で済ませてほしくないのです。マイホーム以外の夢や目標に積極的に取り組んで、自分たちらしい幸せをつかみ取ってほしい、そのために大切なお金と時間を費やしてほしいと思っています。この考えに共感してくださるお客様が、一人でも多く弊社にご相談に訪れてくださることを、サカイは期待しております。(サカイ)

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