「お金」と「時間」を確保する幸せな中古物件の選び方|イエノワ#3
「マイホームは中古物件で」という選択をする人は、どのくらいいると思いますか?熊谷市周辺では新築と中古は8対2くらいです。もちろん新築の良さは理解できます。
今回は「あえて中古物件をオススメする」という視点で語りたいと思います。視点を変え、視野を広げ、知識と情報を得て、想像力と思考力をもって行動することが住まい探しにおいては重要。「不動産リテラシー」というスキルが必ず役に立つはずです。
中古マンションが巨大な粗大ゴミになるリスク
人が中古物件を選ぶ理由は何でしょうか。最も多い答えは「新築よりも安く済むから」という経済的理由だと思います。「資産価値の目減りを抑えられるから」という言い方をする人もいます。経済的理由は、数ある答えの中の一つです。お金以外にも、中古物件を積極的に検討する理由はあるはずです。どのような観点から中古物件を検討するべきか、考えてみましょう。
中古物件というフレーズから想像したのは「戸建て」でしたか?「マンション」でしたか?サカイのお勧めは「戸建て」です。戸建てなら、庭もある、ペットを飼うこともできます。隣人にもそれほど気を遣わなくてよく、自分の思ったようにリフォームやDIYができるというメリットも。コロナ禍で、家で過ごす時間が増えた近年、戸建てという選択は世相に合っています。
一方、マンションを取り巻く状況は複雑です。分譲マンションのことを「区分所有建物」と言い、「区分所有法」という法律が存在しています。現在、政府は法律改正を検討しており、マンションを建て替えるための要件を緩和しようと動いています。今後見込まれる老朽マンションの増加に対応するのが狙いなのだそうです。一連の動きは「今後、中古マンションを建て替えたり修繕したりする時はかなり面倒なことになる」と国が認めてしまっているようにも思えます。しっかりした管理・運営ができなくなったマンションは、大規模修繕も建て替えもできず、いつの日か巨大な粗大ゴミになってしまうかもしれません。当然、資産価値も崩れ落ちます。
新築戸建の不安要素=建築資材の高騰(ウッドショック)
もちろん、戸建てにも、多少の不安要素は残ります。昨今の物価高です。原油を筆頭に日常生活に関わる物の値段が上がっています。コロナ禍の影響で建築資材(木材)価格が高騰し、建築費が2割ほど上がってしまった「ウッドショック」という問題もあります。5年前なら2,000万円で建てられた家が、現在だと2,400万円もかかり、かなりのインパクトです。おそらく、新築戸建ては今後も値上がり傾向が続くことでしょう。
この環境下で、中古物件は、どうでしょうか。リフォーム工事は必要なものの、新築よりは安くなるはずです。柱や壁をそのまま活用できれば、ウッドショックの影響もほとんど受けないでしょう。一般的な木造2階建て(約100~120平方メートル前後)の住宅の場合、約700~1,000万円の予算を見ておけば、自分好みの内外装フルリフォームが出来ます。物件の状態によっては、約500万円程度で調整できるケースもあるのです。
ハイスペック新築は本当に必要なのか
新築が支持される更に大きな理由として挙げられるものが「性能・強度」です。「耐震等級3」や「地震で壊れない家」といった性能の高さをアピールする住宅メーカーは少なくありません。地震や台風などの災害が多い日本では、性能・強度を常に進化させていくことが住宅メーカーの宿命とも言えます。
でも、少し考えてみてください。地盤の良い地域であれば、高い性能や強度を求める必要性は無いと思いませんか?耐震性能の高い家を建てたとしても、大雨による洪水被害(床上浸水など)を防ぐことはできません。床上浸水した家の後始末は、異臭の除去までも含め、本当に大変です。洪水ハザードマップをよく見て、洪水・浸水リスクの低いエリアを暮らすエリアとして選択することも大切なのです。サカイは「建物性能は、災害リスクの低いエリアに住むことでカバーする」考え方を重要視し、お勧めしています。
中古戸建の選択にピッタリの埼玉県北部エリア
サカイは、皆さんがお住まいの埼玉県北部エリアが「災害リスクの低いエリア」に当てはまることを、皆さんに知っておいていただきたいと考えています。埼玉県で地震に強い地域ランキング(*)において、県北エリアの熊谷・深谷・本庄はすべて、TOP20にランクインしています。埼玉県西部・北部は高台が多く地盤も強く、関東山地(秩父市、長瀞町など)や北武蔵台地(本庄市、深谷市など)は県内でも地盤が強い地域だそうです。
隣接する群馬県は、更に地盤が強いです。気象庁の統計によると、2013年までの過去90年の間に群馬で震度4以上の揺れを観測したのは50回。関東近県では最も地震の発生が少ないエリアです。そのため、地震発生の危険度に従って4段階に分かれる地震保険の基本料率も、全国で最も安い「1等地」に分類されています。これは、群馬は地盤が良いことの裏付けになります。埼玉県北部の熊谷、深谷、本庄などは「ほぼ群馬」と言える立地。群馬県の情報は参考データにできると言えます。さらに、荒川と利根川の洪水の影響が少ないエリアを選択すれば、地震にも水害にも強い住まい(家+環境)を、埼玉県北部で取得できるのです。

*参考サイト:住宅会社に関する情報メディア『MINIQUE(ミニーク)』の記事https://minique.info/column/land/jiban_saitama/
中古の選択がお金と時間の使い方を変える
ここまでお話を進めてきましたが、高性能で高品質の住宅を求めたい気持ちも、その分建築価格が高くなることは仕方ないという諦めの気持ちも、理解しているつもりです。ただ、サカイは、将来の選択肢や自由や楽しみの多い住まい探しをしてもらいたいと考えています。だからこそ、この県北エリアでの中古物件をオススメします。
新築と比べれば中古戸建てのリフォームの方が明らかにコストダウンが可能です。それは単に工事費用だけを指すものではなく、リフォームの工事期間が比較的短いことも影響します。短い工事期間は、今の住まいの家賃などを支払い続ける期間も短くなり、コストダウン効果は大きいと言えます。コストダウンした分を自分たちの好きなことに「お金」を使い、好きな「時間」を過ごす。新築戸建ての選択では我慢しなければならなかったことが、中古戸建てを選んだことによって楽しめる。住まいを中古戸建にすることで、QOL(Quality of Life)が向上し、ウェルビーイングが実現するという流れが生まれることを期待して止みません。(サカイ)