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地球にやさしい人は得をする?住まい選びの新常識【エシカル目線】|イエノワ#6

最近では、「エコ」や「サステナブル」、そして「エシカル」といった言葉を多く耳にします。皆さんはこれらの言葉が具体的に何を指しているか、どれほど重要な意味を持つのかを理解していますか。

私たちは、これらの言葉を単に「地球にやさしい」という表現で片付けて、本当に意味を理解しているかどうか疑問です。これらの言葉の本質や重要性を理解することが、将来的に経済的な利益をもたらす可能性もあります。

「地球にやさしい」だけでなく、「家計にやさしい」結果を生む可能性もあるのです。

一般的に考えられるエシカル

「エシカル」とは、「倫理的な」「道徳上の」という英単語です。最近では「エシカル消費」といったように、環境や人、社会への配慮を含んだ消費行動を意味して使われます。

商品選択が環境、人、社会に配慮することで、「良いことをした気がする消費」とも言え、以下のようなシーンが例としてあげられます。意外とみなさんにも身近な存在なのではないでしょうか。

  • 地場産品やフェアトレード認証の商品を選ぶ
  • 食品ロスを出さない買い物の仕方の工夫
  • 売上の一部がチャリティーになる商品を選ぶ
  • 賞味期限が近い値引き商品を選ぶ

また、「エコ」や「SDGs」という言葉もあります。「エコ」は環境に焦点を当てていますが、「エシカル」は環境だけでなく、人と社会がより良くなりたいという願望から生まれています。「SDGs」のゴールである持続可能な社会の実現のためには「エシカルな行動」が求められます。

さらに「エシカル」は「自分や周りにとって良いと感じる行動をとることで、自尊心も満たされる」といった解釈もできるでしょう。

住宅の視点からのエシカルな答え ZEHと中古リノベ

住宅における「エシカル」の具体的な例として、ZEH(ゼッチ)が挙げられます。ZEHは、「net Zero Energy House(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)」の略です。「エネルギー収支をゼロ以下にする家」のことで、家庭で「使うエネルギー」と太陽光発電などで「得るエネルギー」をバランスさせます。

ZEHの実現には、快適な室内環境を維持しつつ、夏は涼しく冬は暖かい住環境を提供することを前提に、エネルギーの使用量を大幅に減らす必要があります。日本のエネルギー消費の13.8%を占める住宅部門の省エネの動きが、全体のエネルギー消費量に大きな影響を与えると言えます。

ZEHの最大の課題は、初期コスト(建築費)が非常に高い点です。坪単価が約80~90万円とされ、埼玉県北部地域での建築費は一般的に約3,000万円になります。これに土地の購入代金やエクステリアなどを加えると、5,000万円規模の住宅ローンが必要です。住宅ローンの借入額が大きければ、利息も比例して増えます。本当にZEHが「お得」なのかどうか、正確に判断するのは難しいと言わざるを得ません。

私見ですが、建築費の上昇により土地取得の予算を減らす傾向があります。ZEHにこだわるあまり、土地に求める条件を下げすぎてしまう可能性さえあるのです。

だからこそ、中古リノベ+太陽光の組み合わせにより、光熱費とCO2排出の削減を同時に達成できる可能性に価値があります。光熱費の削減は家計にとって確かな経済的メリットであり、最大で年間30万円ほどの節約が期待できます。これに加えて、資材調達コストやランニングコスト(特に住宅ローンの毎月の返済額)も抑えられ、最大で年間50万円ほどの削減が見込まれます。これに加え、省エネリフォーム工事費用には経済産業省、環境省、国土交通省が連携した補助金が後押しとなります。

このような賢いお金の使い方によって生み出せた資金を、エシカルな行動のために使うことができます。趣味や子供、家族や誰かのために使うこともそのひとつです。金銭的な余裕が生まれることで、時間的な余裕も生まれ、心にもゆとりができるでしょう。

社会の持続のために不可欠なCO2削減も、誰にとっても重要な課題です。これに取り組むこともエシカルな行動と言えます。

自分の住まいや生活がエシカルな行動に貢献しているという自覚は、良いことをしているという意識を高め、自尊心を向上させる要素となり、心に余裕を生んでくれるでしょう。

サカイの考えるユーザー目線でのエシカル

サカイは、住まい選びのゴールはウェルビーイングであり、その基盤としてエシカルな選択が重要だと考えます。「中古住宅」の選択が最もエシカルな選択であり、ウェルビーイングの思想を体現していると思うのです。ただし、中古住宅をリノベーショ ン(性能向上リフォーム)し、太陽光発電システムなどの省エネ設備を搭載することもポイントです。図Aのようにエシカルな行動と経済的メリットの両立ができます。

実際に、中古住宅を購入し性能向上リフォームをすることで、家計にやさしい住まいを作ることは十分に可能です。そうして手に入れたエシカルな暮らしは「ちょっと良いことをしているぞ」という自意識が生まれるので、自然と自己肯定感や自尊心が上がるはずです。

この状態が継続すれば、自分や家族、友人が輝く日々を過ごし、豊かな人生を築くことが期待できます。社会的な視点を取り入れた行動(エシカル)が、自分の幸せの実現(ウェルビーイング)に繋がる可能性を持っているのです。(サカイ)

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